[要点整理] ・為替の先物予約をする時期によっては、円ベースで元本割れすることがあります。 ・為替の先物予約は、満期前に為替予約をした方が有利になった場合にするようにしましょう。
為替の先物予約とは?
為替の先物予約というのは、将来の一定期日の通貨の交換レートを前もって決める取引のことです。 交換レートは、金利裁定の理論に基づいて、取引通貨間の金利差から求めます。
為替の先物予約をすると為替リスクを回避できるの?
外貨預金をしていて為替変動があった場合、場合によっては為替差損により円ベースで元本割れをするリスクがあります。
それ故、こういった為替変動を事前に回避する方法として、為替の先物予約を付けるという方法があるのですが、これも使い方を誤ると円ベースでの元本割れをきたすおそれがあるので留意する必要があります。
具体的には、預入時に満期時の為替レートを予約する先物予約をしてしまうと、理論的には円預金と同じ金利水準になってしまい、外貨預金のメリットを享受できなくなってしまいます。
さらに、外貨預金の場合には為替手数料がかかるので、現在のように円金利がほぼゼロの場合には、その分だけ円ベースで元本割れしてしまいます。
なので、為替の先物予約をする場合は、外貨預金に預入れた後で行うのがよいでしょう。 為替レートが円安に進み、予約をした方が有利であると判断できた段階で予約すれば、その後の為替変動による影響を受けなくてすむようになるからです。
※外貨預金として預ける場合は、実勢レートではなくTTSが適用されます。また、満期時にはTTBが適用されます。
預入時に満期時の為替レートを予約する先物予約をすると、なぜ円預金と同じ金利になってしまうのか?
具体的な例でご説明しますと、 (例)預入時に満期時の為替レートを予約した場合 ・米ドル建ての3か月物金利:3% ・円建ての3か月物金利:1%
この場合、3か月先の先物レート(米ドルと円取引のレート)というのは、米ドルと円との金利差2%を打ち消す水準まで、予約時点の為替レート(実勢相場)より円高水準になります。 このように、理論的には結果的に円預金と同じ金利水準になってしまうのです。
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