タイのバブル崩壊
これまで順調に成長を続けてきたタイ経済は、円安タイバーツ高となってからは、すべてが反対に進んでいきました。
タイの輸出競争力は弱まり、10年間2桁成長を続けてきた輸出はマイナスとなり、わずか2年間でタイの貿易収支赤字が大幅に拡大していったのです。
また、不動産価格も下落に転じ、バブル崩壊が鮮明になりました。これによりタイに流入していた外国資本の引き上げが始まりました。
低い金利でドルを借りて高金利のバーツを運用していた外国人投資家が、一斉にバーツ売りに転じたのです。
タイの変動相場制への移行
そして、これを買い支えきれなかったタイ政府と中央銀行は、やむを得ず変動相場制に移行したのです。
これによりバーツは急落し、このタイの通貨危機は、他のASEAN諸国や韓国にも飛び火し、日本でも大手金融機関が次々に破綻する状況に追い込まれていったのです。 |