タイの通貨制度は?
1997年のアジア通貨危機では、アジア各国の通貨が連鎖的に暴落する深刻な事態になりました。このきっかけとなったのがタイバーツです。
もともとアジア諸国は、通貨政策としてペッグ制※を採用していました。このペッグ制には、次の2つの方法があります。
■1つの通貨に連動させる方法
■複数の通貨に連動させる通貨バスケット制
そして、通貨バスケット方式では、米ドル、ユーロ、円といった主要通貨に対して、それぞれ比率を決めて加重平均します。
例えば、A国の通貨がバスケット方式を採用していて、米ドル、ユーロ、円の比率を60・30・10と設定した場合には、A国通貨の変動の60%は米ドルの影響を受けるということです。
タイではバスケット方式を採用していたのですが、米ドルの比重が高かったことから、実質的にはドルペッグ制だったのです。
つまり、タイバーツは対米ドルで固定相場制、それ以外の通貨に対しては変動相場制だったのです。
※自国通貨の為替レートを主要国の通貨に連動させる通貨政策のことです。 |