投資対象となる貴金属の価格との連動性が高いとは?
貴金属商品ETFの特徴として、投資対象となる貴金属の価格との連動性が高いということがあります。
これは、貴金属商品ETFは、複数のマーケットメイカー(指定参加者)が流動性と連動性を確保しているからです。
わかりやすくいうと、購入希望が多くなり、商品ETFが不足した場合には、市場価格は基準価額よりも高くなりますが、そのようなときには、マーケットメイカーが現物バスケットをETFに供給することによって、その現物バスケットが裏付けとなる受益証券を増加させ、流動性を高めているのです。
供給が増えれば価格は下がりますので、基準価格に近づいていきます。
反対に、需要が減り、商品ETFが市場にあふれている状態になりますと、価格は基準価額よりも安くなりますが、そのような場合には、マーケットメイカーが受益証券を還付する※ことによって、その現物バスケットが裏付けとなる受益証券を減らし、流動性を低くするのです。
供給が減れば価格は上昇していきますので、基準価額に近づいていきます。
※解約して、現物バスケットを受け取るということです。
なぜ、マーケットメイカーが調整しているの?
通常の投資信託の場合には、価格が上昇するのは歓迎されます。
しかしながら、ETFの場合には、どれだけ価格が上昇したとしても、指標としている商品の市場価格と基準価額との乖離、基準価額と市場価格との乖離が著しくなれば、ETFとして良い商品とはいえません。
つまり、マーケットメイカーが調整役を務めることで、この乖離を小さくしているのです。
商品ETFに限らず、「ETFの良し悪し」は、指標としている指数(インデックス)との連動性が高いかどうかが判断材料となりますので、基準価額と市場価格との乖離が大きくなる場合には注意が必要になります。
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