「金建て」ファンドとはどのようなものですか?
世界の金融が混乱する中において、「金建て」という新たな手法が注目されているわけですが、この手法は、ただ金の現物やETF、先物を購入するのとは異なるものです。
金融危機や景気後退のなかにおいて、金の価格が上昇しているというのは、まさに世界中の投資家が通貨を信頼していない証拠であるといっても過言ではありません。そのような中で注目されているのがこの「金建て」の取引です。
「金建て」ファンドとは、投資対象の資産価値を金で評価し、金の価値によって資産価値が変動する仕組みになっているものです。
もちろん金の相場も日々変動していますから、投資家がリスクを負うことに変わりはありませんが、今後も金の価値が上がると考えている投資家にとっては、金が上昇すればするほどファンドの資産価値が増すことになります。
つまり、金の値動きと投資商品の値動きが揃って上昇した場合には、大きなリターンを得ることが可能になるのです。
「金建て」ファンドが考案された理由は?
ヘッジファンドの世界で「金建て」が注目されているのは、通貨に対する不安が大きいことがその理由としてあげられます。
ただし、通貨で資産を保有することが嫌だからといって、単に金を購入すればよいかといえば、必ずしもそうとは限りません。
というのは、金の価値は不変ですから、価格がゼロになることはない半面、株のように一挙に何倍もの上昇をすることも期待しにくいからです。
そこで、資産価値を金価格に連動させることにより、通貨の下落から資産を守りつつ、ある程度積極的な投資が行えるパッケージである「金建て」ファンドが考案されたのです。
ちなみに、この「金建て」ファンドは、金融や経済の混乱が続けば続くほど、注目度は上昇していくと思われます。
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