為替相場の動向と金の値動きの関係は?
今後は、米ドルだけでなく、英ポンドやスイスフラン、日本円など、すべての通貨が安くなるであろうといわれています。
その理由としては、これらの通貨が世界で最も古い通貨である金ほどには完璧ではないということがあります。
つまり、金本位制のもとでは、すべての銀行紙幣が特定量の金の価値によって裏付けされていたわけですが、今日の印刷された紙幣には、その裏付けとなる資産、すなわち実質的な価値が存在しないということです。
よって、ユーロが日本円に対して下落するのかとか、米ドルが日本円に対して下落するのかなどは問題にはなりません。日本円の価値は金の価値に対して徐々に低下していくので、この問題は無視できるのです。
日本の景気と円高の関係は?
2003年以降、日本経済はバブル崩壊後の長いトンネルを脱して、景気回復局面に入りましたが、いま振り返ってみると、これはアメリカの好景気に支えられていたということがわかります。
そして、2008年以降、先進国において最も景気の落ち込みが激しいのは、サブプライムローンとは無縁とされていた我が日本というのも皮肉な話です。
もちろん、輸出企業は海外の景気失速により業績を大きく悪化させ、赤字に陥るところも続出したわけですが、円高の悪影響も見逃せないわけです。
ちなみに、世界最大の自動車メーカーであり、日本を代表する輸出企業のトヨタ自動車では、円がドルに対して1円動くと、400億円の損益が生じるといわれています。
また、日本国内の低金利を嫌って外国の債券を購入していた投資家も、海外の金利急低下に加えて為替でも損失を被り、大きな痛手を負った人も多くいるようです。 |