世界金融危機は一体何だったのか?
金融機関やローン会社は、単にサブプライムローンを貸し付けただけではありませんでした。
具体的には、貸し出したローン債権を、証券化と呼ばれる手法によって、金融商品に仕立てたのです。
この比較的貸出金利が高いサブプライムローンを組み込んだ金融商品は、相対的に有利な利率を提供できただけでなく、著名な格付け会社も高い格付けを付与していました。
この時期、世界中の投資家や金融機関は低金利に苦しんでいたことから、この商品は、少しでも有利な運用先を求める世界中の金融機関に販売されたのです。
しかしながら、ローンの焦げ付きが深刻化すると、サブプライムローンを組み込んだ投資商品は、値段がつかなくなるほどに暴落したのです。
これによって、この投資商品を保有していた金融機関には膨大な損失が発生し、中には破綻するところも出てきました。
そうなると金融機関は互いの信用力に疑問を持ち始めますから、今度は銀行間でも資金の融通に支障をきたすようになります。
結局、各国政府や金融当局は、これらの金融機関を救済するために、莫大な資金を出動させることとなったのです。
これが、サブプライム問題が世界中に広がった理由です。 |